豆腐:□

「倦怠期」内藤 了/

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011657.html 豆腐: 暗闇での情事に夫の不貞を妄想する展開は、呪いの一部なのだろうか。 いさかいと情事のギャップにはまっていく課程をもっと描けばよかったのに、展開が類型的で性急にすぎる。

「知らせの鴉」内田花

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011653.html 豆腐: ところどころ引っかかる描写があったりはするが、全体の雰囲気や流れはいい。 どうにかして一行削り、最後の一文は一行あけると余韻が出ていいと思う。

「天井の座布団」江口久路

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011651.html 豆腐: 怪異の独創性がいい。方言の部分が読みづらい。

「裏庭」江口久路

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011649.html 豆腐: 月は罪悪感のイメージ? しかし、それだと語り手の妄想の可能性も出てくるので、なんとも言いがたい。

「赤いランドセル」クジラマク

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011646.html 豆腐: こちらも同様、レベルは高いが、密度を濃くして叩きつけるのが、必ずしもいいとは限らない。

「新築」クジラマク

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011645.html 豆腐: 怪異の質、それを語るテクニックなど、安定して上手いが、密度が濃すぎてテンポに欠ける。

「トンネル」剣先あおり

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011644.html 豆腐: 「心霊スポットとして有名なトンネルが静かに口を開けて佇んでいるからだ」はないでしょ。「前から一度は〜入れずじまいだったからだ」じゃない? 電話の音と非通知着信の符合、着信がその後も続く下…

「ライブベイト」朱雀門出

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011643.html 豆腐: 「右目と左目の視線が微妙にずれている」がいい。 ほかは「牛の首」系の話に新規のディティールが増えた感じ。

「赤い橋」高中千春

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011641.html 豆腐: 「街灯の間隔は広く〜」からの橋の描写に、ひっかかるところが多い。 あと、靴は脱ぐもので剥がすものではない。それ以外はいい。

「八階」斜 斤

豆腐: で? 文章は達者ですが、不可思議な「八階」にたどり着き、不安を味わった、その先が読みたくなってしまいます。 また、不可思議な暗闇に残された不安と、開いていない扉からやってくる足音と気配の不思議さが競合し、どちらを怖がればいいのかわから…

「亀甲墓」道楽猫

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011638.html 豆腐: ここまで長く書く必要があるのかと思うくらいスタンダード。 沖縄である理由が題名にしかない。

「相乗りタクシー」道楽猫

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011637.html 豆腐: 最後の二行は一行にまとめたほうが店舗テンポがいいんじゃないかな。

「イソメのこと」間遠南

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011636.html 豆腐: 蠱毒の話のように思えたので、よくある「その先拡大していく恐怖」みたいなのはないのかと思った。 まあ、これはこれでいい。

「島津兵の無念」音城弦二朗

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011629.html 豆腐: 島津兵の亡霊はどこに立つのかという疑問はあるが、続く長広舌に怪異を求める気持ちがうんざりと萎え、かと思うとオチで件の亡霊が話を終えるまで犠牲者を離さないうざい性質の持ち主だと知れて、そ…

「最後の電話」カオル

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011619.html 豆腐: 同窓生の間だけで連鎖する怪異、というのもちょっと納得がいかない。 電話を媒介とするなら、家族友人恋人仕事仲間などでもっと死者が出ているのでは?

「逆流」古屋賢一

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011615.html 豆腐: 夢の光景が念写される携帯電話、それが現実の事件とリンクしている、という展開は面白い。 途中のイメージの羅列が、句点で数珠つなぎになっているのは読んでいてつらい。

「父の思い出」葉原あきよ

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011613.html 豆腐: 足を向けていたから怒られたとか、そういう話かと思った。 個人的な感覚のレベルで止まっているので、怪談とはいいづらいのでは?

「送迎バス」純太郎

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011608.html 豆腐: バスが最初から異界のものだったのか、それとも事故のニュース後に異界のものとなったのか。 万年筆が部屋に現れる必然性がない。

「カステラ」三浦さんぽ

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011602.html 豆腐: カステラを食べたことに何かあるのか? と思わせる雰囲気が一読では伝わりづらい気がする。 文章はうまい。

「洗車」内藤 了

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011599.html 豆腐: 倒置する怪異と、それが連鎖する構図は面白いが、ところどころ説明に難あり。あと、「ぞっとする」と言い切ってしまうのは諸刃の剣。

「星に座る化け物」bakugawa

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011597.html 豆腐: 文章を練習して、言葉遣いやシチュエーションのおかしなところ(嵐の砂浜で絵が描けるか?鎖で絵を描けるってどうして?)を直すか、納得させられるだけの文章力を身につければ、この残酷な雰囲気は…

「 裏階段」宵野蛍

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011593.html 豆腐: 怪異の描写は、スタンダードだが個人的には効果が高いと思う。 ただ、飲み屋と神社と会社の位置関係がはっきりしないため、なぜそこを通れば近道になるのかわからず、階段を登らせたい意図を強く感じ…

「エフェメラ」古屋賢一

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011591.html 豆腐: 恋愛感情や思い出までも「一日しか存在しえないもの」*1として、それでも縋りたい気持ちを描くのは面白い。個人的に好み。 だが、最後の一文は蛇足だし、そもそも怪談ではないような気もする。 *1:「…

「ペイズリー」松 音戸子

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011579.html 豆腐: 魂のもつ願望? 欲望を「輝かしい」とする語り手の意識の持ち方はどうかな? と思うけど、概ねいい。 ところで、引きずり込まずにまとわりついて、ビキニみたいに見えるってことは、魂は性欲をもって…

「懐かしい家」地獄熊マイケル

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011571.html 豆腐: ギミックは面白いが、「違和感→(偽の)回顧→気づいてびっくり」としたいところが、同じ言葉が連呼されるために「違和感→違和感→回顧→気づいて」と読めてしまい、冗長に感じてしまった。

「春の日のアパートの一室」阪井マチ

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011562.html 豆腐: ラストの「私も男性も情けない声しか出せなかった」が、怪異に出会った人の反応を表す文章として、個人的には類を見ない素晴らしさと思う。 が、そこに到るまでにひっかかる表現が多い。

「格安物件」天羽 孔明

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011561.html 豆腐: 恐ろしいまでにスタンダード。なので、個人的には可もなく不可もなし。

「白い手」天羽 孔明

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011560.html 豆腐: 普通。

「赤い糸と水無月」青山藍明

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011558.html 豆腐: 「水無月」って魔除けの意味があるお菓子か*1。 六月とお菓子のダブルミーニングと、せっかくの面白そうな怪異が、死者の念以外で結びつかないのが残念。 てにをはにも気をつけて。 *1:この辺を参照―…

「石垣を越えて」間倉巳堂

http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/011556.html 豆腐: 麦わら帽子のイメージに不気味なものが上書きされる全体の流れがいい。 縄で巻かれた鳥居や唸り声などのイメージが乱立して、散漫な印象になってしまっているのが惜しい。